地域経済コース

科目
区分
授業科目の名称 講義等の内容
地域経済コース 研究指導科目 地域経済演習 本演習では、自発的な研究態度を身につけること、自分のテーマに関する調査・分析から問題点を的確に把握し、それに自分なりの考察を加えて一つの結論に導くこと、それを論理的で説得力のある論文として完成する。このような学生が設定したテーマや課題を探究・分析し、多角的に検討を重ね、最終的に修士論文として完成することができるよう指導を行う。
コース基盤科目 地域政策基礎論 授業の到達目標は、日本資本主義における地方財政と地域経済の観点を中心に、地域政策について歴史的・経済学的知識を獲得することである。この講義では、地域社会の経済的基盤である地方財政と地域経済の戦後日本における動態を学習し、戦後日本資本主義における地域経済社会の在り方や地方財政を中心として地域政策の変容過程を理解する。特に戦後における推移を、戦後改革・復興期、高度成長期、低成長期、バブル期とその後の停滞期、さらには直近の人口減少を伴う時期に区分したうえで、それぞれの地域経済および地方財政の実態の理解とそれぞれの局面で採られた地域政策を立体的に理解できることを目指す。
コース専門科目 経済理論特殊講義Ⅰ 大学院における基礎レベルのマクロ経済学を学ぶ(M1前期)。テキストを用いた講義と輪読形式(担当者による解説・発表)で実施する。学部レベルとは異なり、大学院のマクロ経済学はミクロ的基礎づけと長期理論を重視した内容である。第1回と第2回は、ミクロ的基礎部分、即ち家計の消費・貯蓄行動と企業の投資行動、第3回と第4回は金融市場、第5回から第7回は長期のモデルと成長モデル、第8回は労働市場、第9回は短期分析、第10回から第14回は最近の経済政策の考え方と理論の応用について取り上げる。
国際経済特殊講義Ⅰ 授業は半期14回の演習形態で行う。授業の到達目標は、受講者が産業革命以後の資本主義経済とグローバリゼーションの歴史的展開を理解し、そのうえで現代グローバリゼーションの特徴を生産技術や国際分業の構造に着目して把握できるようになることである。受講者は毎回のテーマに関連するテキストや論文等を読んで内容をまとめ、演習内で発表と討論を行うことにより、専門的知識を深めるとともに理論的枠組みや研究上の主要な論点についても学ぶことができる。
財政学特殊講義I 財政学の基礎的なテキストを用いながら、受講者とともに財政学の基本的な視角および考え方について習得する。さらにテキストの演習問題についての討議を通じて、具体的な日本の財政をめぐる社会問題に関する分析・応用・思考能力が習得できるように指導する。
経済政策特殊講義Ⅰ 人口減少が本格化する中、まちづくりの面ではこれまでの拡散型のまちづくりからコンパクトなまちへ政策の舵が切られた。しかし、過度にクルマ依存した現在のまちをコンパクト化するには公共交通の整備や公共施設の立地適正化など、クリアすべき課題も多い。本講義では、日本におけるコンパクトシティの流れを追いながら政策を推進するポイントを明らかにするとともに、諸外国の事例なども参考にこれからの進め方を検討する。
地域経済特殊講義Ⅰ 授業の到達目標は、(1)地域経済学の学説史、(2)地域経済学の基礎理論、(3)地域経済活性化の考え方・理論、を説明・理解する力を身に付けることである。授業の前半は、地域経済学の学説史を参照しながら、主に都市農村関係論、地域経済発展論、地域的不均等発展論、産業立地・集積論等について理解する。その際、理論内容や理論的到達だけでなく、学問的系譜や理論的背景についても学ぶ。授業の後半は、グローバル経済時代の地域経済活性化の考え方や理論(特に地域経済主体形成論、地域内経済循環論、地域経済マネジメント論等)について理解する。その際、これらの考え方・理論が実際の経済政策の中でどのように位置付いているのかについても学ぶ。授業レベルは基礎レベル(大学院修士課程1年)を想定している。
情報経済特殊講義Ⅰ 情報経済・知識経済に関する経済理論の先行研究のサーベイを行った後に、IT技術革新が最も顕著に表れた1990年代のアメリカ経済とその中で登場した「ニューエコノミー」論の分析・検討を通じて、技術進歩を内生化した経済理論およびIT投資と経済成長の関係について計量経済分析によって解く手法について学ぶ。さらに2000年代に入って登場したSNS、ビッグデータ、IoT、AI等の最新のIT技術の現状とIT投資等の経済統計データを基に、日本のITを中心とした産業政策とマクロ経済の動向、ITと雇用と労働の課題についてオープンデータやRESAS(地域経済分析システム)等のデータ等の統計データを活用して数理計量経済分析を行う。
福祉経済特殊講義Ⅰ 我が国の社会保障制度は、人口増加と家族機能を前提とし、安定的な雇用システムと強く結びついている。今日、家族が大きく変容し、人口減少と安定的な雇用システムが見直されるなど社会保障の前提が大きく揺らぐことにより、持続可能性が問題となっている。本講義では、社会保障の前提が揺らいでいる、その上に成り立つ年金、医療、介護、福祉などの社会保障システムの理論的枠組みと諸問題を取り上げる。それをもとに制度の施策のあり方について論じる。
経済理論特殊講義Ⅱ 大学院における応用レベルのミクロ経済理論を学ぶ(M1後期)。経済活動が空間的に不均等に分布するメカニズムについてミクロ経済学的モデルによって分析を行う空間経済学の理論について学習する。これにより、ミクロ経済学に基づく地域経済分析の基礎的能力を養う。第1回から第4回は空間と立地のミクロ・モデルの基礎的理論の展開過程を、国際学術誌掲載論文・著作等でたどり、第5回以降はテキストの輪読と討議によって現代的空間経済学について学習する。
国際経済特殊講義Ⅱ 授業は半期14回の演習形態で行う。授業の到達目標は、受講者が生産過程のフラグメンテーション化による国際的な工程間分業の広がりと国際生産ネットワークの形成について、グローバル・バリューチェーン分析や付加価値貿易貿易分析の研究動向レビューを中心に、理論的枠枠組みや研究方法を理解できるようになることである。受講者は毎回のテーマに関連するテキストや論文等を読んで内容をまとめ、演習内で発表と討論を行うことにより、専門的知識を深めるとともに理論的枠組みや研究上の主要な論点についても学ぶことができる。
情報経済特殊講義Ⅱ 情報と市場(規模の経済および範囲の経済)に関する理論的知識、行動経済学・実験経済学の基礎知識を基に、デジタルプラットフォームを中心としたIT企業戦略、ビッグデータ、IoT、AI、ブロックチェーン等の最新のIT技術動向の現状やオープンデータ、シェアリングエコノミーに関する実践的知識を身に着けながら、それぞれの市場における人間の行動、企業戦略について、事例データと統計データ及びオンライン上におけるゲーム実験環境(明治大学・後藤晶准教授開発のオンラインアプリケーション)を使ってシミュレーションを行い、情報通信技術による市場構造や人間行動の変化が経済に与える影響を数理経済学的な分析を行う。
経済理論特別演習 現代古典派制度経済学について、シカゴ学派・オーストリア学派と比較しつつ理解することを目標とする。各回のテーマにつきテキスト、参考書・論文を利用して担当者が発表・解説し、全体で討議を行う。第1回のイントロダクションの後、第2回から第4回までをシカゴ学派・オーストリア学派の制度理論にあて、第5回以降を現代古典派制度経済学にあてる。第5回から第8回で現代古典派制度理論の構成要素について取り上げ、第9回から第14回で制度と市場の関係について取り上げる。
経済政策特別演習 持続可能な地域社会を実現するために、自治体・市民(企業等を含む)がどのように連携することが求められているかをテーマに、政府・自治体の政策について検討する。とりわけ人口減少と自治体財政が悪化する中でとられる縮小まちづくり戦略に焦点をあてていきた。本演習では、このようなテーマに関連した課題についての現状分析、多面的評価、解決策の提示といった一連の検討を経て最終的に修士論文の完成を目指す。
財政学特別演習 「日本財政はどのような歴史的変遷をたどったのか。現代日本の財政課題とは何か、その解決の方向性はどうあるべきか」をメインテーマにして、本演習では、経済理論と結び付いた財政学の仕組みを考察する。また、我が国の財政の前提である租税、経費、予算についても取り上げながら、財政の諸問題、制度のあり方を考察する。このような演習課題に関連した実態的な研究テーマを設定し、履修者自らが設定した研究テーマに対して、研究を進め、最終的に修士論文を完成できるよう指導する。
国際経済特別演習 授業は通年28回の演習形態で行う。授業の到達目標は、受講者が国際経済分野に関わる研究課題を設定したうえで、先行研究の整理、理論的枠組みの検討、研究資料の収集と分析について指導を受けることにより、実証研究のための知識と方法を修得できることである。また本演習で修得した研究能力を用いて、受講者が国際経済分野の修士論文を完成できることである。
情報経済特別演習 情報経済の分野でテーマを設定し(IT投資と経済成長、オープンデータ、シェアリングエコノミー、地域情報化等)の先行研究をサーベイしまとめる。設定したテーマにおける事例調査、また統計データを使って数理経済的な分析を進める。情報経済の分野での学術学会に投稿・発表を通じてレビューを受けながら論文としてまとめる。最終的に設定したテーマで修士論文として完成させる。
地域経済特別演習 授業の到達目標は、地域経済学や地域づくり論に関する国内外の研究を学びながら、修士論文作成のための研究力量を獲得することである。前期の授業では、修士論文のテーマ設定に必要な地域経済や地域づくりに関する基礎理論を国内外の研究動向を意識しつつ学習していく。また修士論文の中間報告を実施し、修士論文のテーマや修士論文作成に向けたスケジュールを確定していく。後期の授業では、修士論文の研究報告を通して、修士論文の内容を深化させていくと同時に、修士論文執筆に必要な不可欠な知識・技術(研究倫理・論文の書き方・データの扱い方)等についても学んでいく。修士論文完成後は、模擬プレゼンを実施し、プレゼンテーションの技量も獲得していく。
福祉経済特別演習 「持続可能な社会保障とは如何なるシステムか」をメインテーマにして、本演習では、経済理論と結び付いた社会保障の仕組みを考察する。また、我が国の社会保障の前提である家族、人口減少、雇用システムの変遷についても取り上げながら、社会保障の諸問題、制度のあり方を考察する。このような演習課題に関連した実態的な研究テーマを設定し、履修者自らが設定した研究テーマに対して、研究を進め、最終的に修士論文を完成できるよう指導する。

履修モデル・時間割(地域経済コース)[PDF:606KB]