臨床心理学専攻科目

科目
区分
授業科目の名称 講義等の内容
研究指導科目 臨床心理学課題研究Ⅰ 臨床心理学の面接,査定,地域援助の実践を出発点として,質的・量的な手法を用いて行う研究の計画立案,データ収集,および分析,考察についての指導を行う。
臨床心理学課題研究Ⅱ 臨床心理学の面接,査定,地域援助の実践を出発点として,質的・量的な手法を用いて行う研究の計画立案,データ収集,および分析,考察についての指導を行う。
専攻基盤科目 臨床心理学特論Ⅰ 臨床心理面接、臨床心理査定、および臨床心理学的地域援助を行うにあたって根幹となる、対象を臨床心理学的に理解するための視点を養う。さらに、臨床心理面接を実際に行うための具体的な事柄を取り上げ(初回面接、信頼関係、心理的変容、終結と引き継ぎ、プレイセラピーなど)、講義や演習を通じて学ぶ。
専攻専門科目 臨床心理学の理論と実践科目群 臨床心理学特論Ⅱ 臨床心理学についてのさまざまな方法論や理論について、自分の実践する臨床の論理的バックボーンを築くための基礎となる知識を得ることを目標とする。臨床心理学の理論について概説するとともに、その臨床的な適応の意義と課題をディスカッションしたのち、担当者の講義も加えていく。
臨床心理面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践) さまざまな臨床現場で心理支援を行うときに、どのような見立てが必要になってくるのか、面接理論とともに実際の事例を通して具体的に学び、理解することを目的とする。学校、医療現場など、それぞれの現場での面接の在り方についてディスカッションしたのち、担当者の講義も加えていく。心理臨床家の行う面接の専門性、さまざまな技法によるアプローチの違い、各面接技法の効用や限界などについて、具体的な臨床像を踏まえて検討する。
臨床心理面接特論Ⅱ 臨床心理面接における見立てや対応及びそれによるクライエントの変化等,心理療法のプロセスを,実際の事例を通して学び,理解することを目的とする。担当者および受講者の実際の担当事例をもとにしたディスカッションと,担当者の講義により進めていく。
臨床心理査定演習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と実践) 臨床心理査定の基礎的な考え方と,心理検査の実施,解釈,報告に必要な知識と技能を習得することを目指す。具体的にはY-G性格検査,MAS,MPI等の質問紙法と,SCTなどの投映法,および知能検査としてWAISⅣおよびWISCⅣを取り上げる。また,被検者体験,検査者体験を通じて実践的に学ぶ。
臨床心理査定演習Ⅱ 種々の心理アセスメントを実施し、適切に解釈するための技術と視点を身につけることを目的とする。質問紙法、P-Fスタディ、描画法、その他の投影法を取り上げる。また、被検査者体験、検査者体験を通じて実践的に学ぶ。
臨床心理基礎実習Ⅰ この実習は、初回面接を実践するために必要な基礎的な知識(関係の構築・面接構造の説明・見たて)について学ぶ。実際の場面を想定し、相談の受付から受理面接を経て、継続相談へといたる心理療法の基本的なプロセスをロールプレイしなどを行いながら学ぶ。また、芸術療法等を自ら体験的に学び、クライエントがどのような体験をするのかについても学ぶ。
臨床心理基礎実習Ⅱ 臨床心理基礎実習Ⅰで学んだ内容をもとに,学内実習施設で実際の相談ケースを担当する。担当した事例について,担当教員に個人スーパーヴィジョンを受け,クライエントの見立てや担当者の対応,セラピーのプロセスについて理解を深める。さらに,事例の経過を事例検討会で発表し,教員からのコメントを受けて,事例理解を深める。
臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習) 臨床心理基礎実習Ⅱに引き続き,学内実習施設で相談ケースを担当し,担当教員に個人スパーヴィジョンを受け,事例検討会に出席し発表を行う。さらに,高等学校における実習と,医療機関における実習にも参加する。
臨床心理実習Ⅱ 臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習)に引き続き,学内実習施設相談ケースを担当し,担当教員に個人スーパーヴィジョンを受け,事例検討会に出席する。事例のプロセスとともに,それぞれの事例の終結や引継ぎについても検討を行う。
投影法特論 心理検査の中でも投影法であるロールシャッハテストの知識と実践的活用法について学び,心理査定の施行・解釈に関する技能を習得することを目的とする。解釈においては反応に関する各種の分類やその意味づけについて理解を深めた上で,量的分析・継起分析の実際について学ぶ。
心理療法特論 臨床心理面接の事例検討を通じて,ユング派心理療法の視点からケースを個別的に理解する力を養う。特にクライエントの夢やイメージ,プレイからクライエントのあり方を見通す視点を磨く。講義に加えて,受講者の担当事例をもとに,グループ討議を行いながら進めていく。
臨床心理学研究法特論 臨床心理学は実践に根ざした学問であり,研究と臨床心理実践は表裏一体である。また、臨床心理学が社会の要請にこたえ,社会的に認知される存在となって行くためにも,研究は必須である。このような前提のもと,臨床心理事例研究法、研究倫理など,重要なテーマを含む臨床心理学における研究法について講義を行う。
心理統計法特論 心理臨床にかかわる調査の具体的進め方,得られたデータの基本的な分析方法を学ぶ。臨床心理学と統計的推論,臨床心理学における調査,調査の構成,データ収集,データ処理の基本,多変量解析の基本について,必要な事項に関する解説を講義形式で行うと同時に,表計算ソフト(Excel)や統計ソフト(SPSS)を操作しながら,演習・実習を進める。
臨床心理地域援助の理論と実践科目群 発達心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開) 生涯にわたるこころの発達について臨床心理学の視点から探求し,福祉領域を中心とした心理臨床の現場で求められる実践的な知を身につけることを目指す。心身の発達に関する基本的知識・理論的背景を習得することに加えて,心理療法や物語を題材として事例検討を行うことで,こころの発達について,見立て,支援することのできる能力を養う。 
教育心理学特論(教育分野に関する理論と支援の展開) 心理職が学校という場で活動する上では,児童生徒や教員,保護者の言動だけでなく,それらがどのように生じてくるかに関する理解が重要である。本授業では,学校という場をめぐる幾つかの学校臨床心理学関係の研究・文献を用いながら,心理職の学校という場での活動を支える専門的視点を養うことを目的とする。授業の進め方は,①担当教員による講義,②受講生による文献講読,③受講生によるグループ討議の3つで構成する。(この授業は他研究科開放科目に該当する。)
家族心理学特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践) 現代において多様化する家族や地域社会について臨床心理学の視点から探求し,心理臨床の現場に生かしうる実践的な知を習得する。まず,家族の問題に関する基本的知識・理論的背景を理解する。心理療法・物語を素材に事例検討を行い,家族という視点から事例を見立て,心理支援することのできる能力を養う。また,「個」と「家族」,「地域社会や集団・組織」の関係を見ることによって,心理臨床のなかで生じる様々な現象について理解を深め,その心理学的援助に関する理論と方法を習得する。
犯罪心理学特論(司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開) この授業では,司法・犯罪分野における臨床心理士の実践,および同分野に関わる公認心理師の実践について学ぶことを目的として講義を行う。講義の中で提示する臨床事例をもとに,グループ討議を行う。
精神医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開) 精神科領域の基礎知識や,症例・診断の基準など,保健医療分野に関わる公認心理師の実践について学ぶ。精神医学の歴史を概観し,精神医学的症状論,精神科治療について学んだ上で,各種の精神疾患について理解を深める。さらに,産業精神保健や学校精神保健,精神保健に関わる法律や,精神保健に関わるシステム,病跡学自殺問題についても触れる。
障害者(児)心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開) 各種の障害の中でも自閉スペクトラム症,注意欠如・多動症等の発達障害を中心に,彼らのこころのあり方の特性や本質について考察を深めたうえで,彼らへの心理支援について,個別の事例をもとに検討を行う。これらの講義・演習を通して,福祉分野に関わる公認心理師の実践について学ぶ。
心の健康教育に関する理論と実践 心理教育やグループアプローチをはじめとして、心の健康増進のためのアプローチを実践的に学び,実践に必要なスキルや視点を身につける。特に学校ににおけるアプローチに重点を置き,児童生徒を想定した心の健康教育に関するプログラムや,その年代に特有の心の問題に関する心理教育について,実践例をもとに理解を深めていく。また、病院における予防的アプローチ、受容し難い身体疾患を持つ患者の心理教育、クライエントや患者の家族に対する心理教育の理論と実践についても学ぶ。心の健康増進に寄与するための場作りや介入、メンタルダウン予防に関する知識と介入について学ぶ。
臨床心理地域実践実習Ⅰ(心理実践実習) 地域実践の入門実習として,地域に開かれた臨床心理相談機関における受付業務に携わり,必要な知識と技能を身につけるとともに,相談センターの運営の実際について学ぶ。さらに,地域の小中学校の保健室でメンタルフレンド活動に参加し,児童生徒に対するかかわり方や視点など,心理臨床的な姿勢や態度の基礎を学ぶ。
臨床心理地域実践実習Ⅱ(心理実践実習) 臨床心理地域実践実習Ⅰ(心理実践実習)に引き続き,地域に開かれた臨床心理相談機関における受付業務に携わるとともに,地域の小中学校の保健室でメンタルフレンド活動に携わる。さらに,司法矯正領域における心理臨床の実践についても,地域の施設に出向いて学ぶ。
臨床心理地域実践実習Ⅲ(心理実践実習) 臨床心理地域実践実習Ⅱ(心理実践実習)に引き続き,地域に開かれた臨床心理相談機関における受付業務に携わるとともに,地域の高等学校で生徒と個別に関わる実習を行うとともに,医療機関でも実習を行い,地域における心理臨床の実践について学ぶ。

履修モデル(臨床心理学専攻)[PDF:378KB]