研究科共通・社会実践科目

(人間社会科学研究科 研究科共通科目・社会実践科目)

科目
区分
授業科目の名称 講義等の内容
研究科共通科目 人間社会科学特論 一人一人が心身ともに健康でその人らしく生きることができ、多様な人間がその多様性を尊重されて共生する社会を創成するための基盤として、人間社会科学研究科における学問分野全体を学際的に学ぶ。社会の中の人間、人間の活動で構成される社会を理解するために、人間に焦点をあてたアプローチ、社会に焦点をあてたアプローチ双方の強みと相補的な関係に気付けるようにする。また、多数の事例に共通する法則を見出す量的分析と個々の事例の独自性を踏まえて多くの側面を総合的にとらえる質的分析双方の強みと相補的関係も理解できるようにする。
社会実践科目 公共政策実践演習 本演習では、地域の主要なアクターの協力を得ながら(あるいは実際に「連携」しながら)、公共政策にかかる「実践」について学ぶ(もしくは自ら「実践」する)。到達目標は以下の三点。第一に、社会問題の発見・解決に関心を持ち、自分なりに実践せんとすること、第二に、公共政策や市民社会等を論じるにあたって必要な知識を身に付けること、第三に、公共に関わる課題や解決策につき、実証的かつ実践的に分析できること。進め方としては、基礎的な知識を参加者間で共有したうえで、各テーマに応じたアクティブラーニング手法を用いる。例えば、「まちドック」ワークショップ、NPO調査での関係者ヒアリング、模擬事業仕分けなるロールプレイング、公共政策プレゼンとディスカッションなど。なお、ときに、地域の公共政策アクターに本演習に参画してもらうこともある。
経済政策実践演習 人口減少が本格化するなか、まちづくりの面では、これまで拡散してきたまちのコンパクト化が一層求められるようになっている。人口増加時代に広げたまちの全域を維持するには、インフラや公共施設の維持更新費の負担が重くなりすぎている。本講義では、今後の縮小まちづくりの中で身近な公共施設の削減を手掛かりに、持続可能なまちづくりに求められる公的資産の管理方法について検討する。
福祉経済実践演習 バブル経済崩壊後、雇用・失業・不安定雇用などの労働問題が深刻化するとともに、若者の雇用形態の多様化が進んだ。ここでは、「働き方の多様化」「柔軟な雇用」という評価を受けて拡大してきた若者の非正規雇用にも焦点を当てながら、その上に成り立つ社会保障システムについて講義する。若者の貧困について文献の輪読を行い、それをもとに学生自らが資料収集、統計や施策の分析などを行い自分の意見発表を行うことができるよう指導する。
地域資料実践演習Ⅰ 地域には未発掘未整理の文学関係資料が多く存在する。これらを調査し解読した上で、その意義をわかりやすく発信することは、学術による社会貢献の重要課題の一つである。このことに必要な知識技能を習得することを目標に、近世の日本文学資料に即して、古典籍の書誌調査、解読法等に関する実習を行う。
最初に、地域に伝存する古典籍資料の実態、調査の必要性について、出雲・石見地方の例に即して説明する。これに基づき、版本・写本の実物に即して、書誌的調査の実習を行う。また地域的特性の顕著に認められる和歌資料、散文(読本・実録)資料について調査を行う。資料の内容を理解するために、解読法を習得する実習を行うが、この時、紙焼き資料とともにデジタル資料も活用する。以上を踏まえ、調査研究の成果を社会との連携のもとで広く公開するため、目録作成、デジタルアーカイブ、展示の実例に学びながら、その的確な方法について探究する。
地域資料実践演習Ⅱ 山陰における漢文学関係資料を、調査、解読し、その意義をわかりやすく発信する。漢詩や草書体の基本を学んだ上で、書誌調査、解読法等に関する実習を行う。失われつつある、漢文学資料を調査公開することが地域社会さらには日本社会にいかに必要であるかを考察し、デジタルアーカイブ、展示の実例を紹介した上で、インターネットを用いた公開の仕方を試行錯誤しながら学ぶ。
日本史学実践演習 本演習では、山陰地域に残された歴史資料を用いた実践的な活用手法を学ぶ。とりわけ中山間地において大学・行政・住民の三者連携を重視した簡易展示作成を通して、専門家としての基本的な考え方と能力を養うことを目的としている。具体的には、「近代国家の政治空間」、「近代的社会基盤の形成」、「近代の災害と戦争」、「伯耆地域の生活慣習」などのテーマに合わせて史料を解読、解釈して歴史的背景の説明文を作成する。それをもとに展示キャプションを作り、全体の展示ストーリーやデザインを含めてパネルを構成する手法を実践的に学ぶ。最後に、各受講学生は中山間地における歴史資料展示の今日的意義をテーマとしたレポートを課題としてまとめ、演習を通して体験的に学んだことの定着を図る。
都市問題実践演習 本講義は都市地理学の視点を通して、都市という場が抱えている様々な課題を把握し、その解決策を議論することを目的とする。都市地理学の基礎的な文献を課題図書とし、都市における人口減少、高齢化、中心市街地の衰退といった問題に関する地理学の立場からの分析事例や課題解決方法などを理解する。授業の後半では、前半で習得した見方や考え方をベースに受講者の興味・関心に基づいた学術論文を複数選定し、受講者による論文内容の発表と、発表内容に対するディスカッションを中心に行い、コミュニケーション力やプレゼンテーション力を育成することを目指す。
英語実践演習Ⅰ 現代社会に存在する課題には国を超えて共通するものがある。この授業では、同じ課題に対する、様々な文化背景の人々の見解を通して、多角的な視点を学び、それぞれの文化背景をより深く理解することを目指す。また、英語が第一言語である人、第一言語でない人を含め、様々な文化背景を持つ人々と諸課題に関して議論ができるようになることを目指す。高度な議論をするためには、自分の専門以外の知識も必要になるが、この授業では、様々な課題に対する情報を英文資料から読み解き、資料を基に事前に考えた疑問点を授業の場で議論することにより、理解を深る。
英語実践演習Ⅱ 現代社会に存在する課題には国を超えて共通するものがある。この授業では、同じ課題に対する、様々な文化背景の人々の見解を通して、多角的な視点を学び、それぞれの文化背景をより深く理解することを目指す。また、英語が第一言語である人、第一言語でない人を含め、様々な文化背景を持つ人々と諸課題に関して議論ができるようになることを目指す。高度な議論をするためには、自分の専門以外の知識も必要になるが、この授業では、様々な課題に対する情報を英文資料から読み解き、資料を基に事前に考えた疑問点を授業の場で議論することにより、理解を深る。
フランス語実践演習Ⅰ フランス語は多くの国際機関、産業界、文芸界で幅広く使われており、その習得によって卒業後の進路の選択肢が広がる言語である。この授業では、フランスを中心に世界に広がるフランス語圏の文化や社会に関するエッセー、ニュースを原文(フランス語)で読み、フランス語の中級以上の知識(文法・語彙・表現)を学ぶとともに、インタビュー、映画などの映像(音声)資料を使った実践的な会話練習からディスカッションの方法を学び、総合的かつ実践的な外国語運用能力を身につける。さらに、アジア言語文化圏、英米言語文化圏との比較を通して、異なる言語・文化を理解できる豊かな感性を養い、多文化共生社会への対応力を身につける。
フランス語実践演習Ⅱ 毎回、シャドーイング(聞き取る力と話す力のトレーニング)と文章読解(読む力と作文のトレーニング)の二部で構成するフランス語の演習授業。フランス語運用能力の向上を目指すことはもちろん、時事フランス語の文章をテキストとして用いることにより、コミュニケーション力の素地となる異文化理解力も養う。受講生のフランス語の理解度に応じて、適宜新聞や雑誌等の記事も紹介し、当該資料の講読を通して、現代社会の様々な課題に主体的に向き合う姿勢を育てる。
ドイツ語実践演習Ⅰ ドイツ語学習者向けのサイト(Deutsche Welle)から教材となるテキストを選び、リスニングと書き取りを中心に授業を進め、実践的コミュニケーションの前提となるリスニング能力の向上をめざす。また、この教材のなかではドイツ語独自の表現が多く見出されるので、そのような独自の言い回しの背景にある文化的特徴や、日本語との文化的差異についても授業で考察することで、多文化共生社会に必要な異文化理解の力を高めることを目標とする。
ドイツ語実践演習Ⅱ 実践的な聞き取りの能力を高めるには、多くのインプットが必要となるので、前期に引き続き、後期においてもドイツ語学習者向けのサイト(Deutsche Welle)の教材をもちいて、リスニングと書き取りによって授業を進めてゆく。また後期でも語学的なトレーニングだけではなく、言葉から見えてくる文化の違いなどにも注意をむけ、異なる文化への関心を高めることで、様々な文化が共存する社会において求められる異文化理解力の向上をめざす。
中国語実践演習Ⅰ 『人民日報』など中国語新聞の閲読,CCTVニュースの視聴を通じて生の中国語に触れ,あわせて現代中国の諸事情について理解を深めます。さらに並行して,ビジネスレター・電子メールなど実用的な文章作成の練習をします。最終的には,東アジア,とりわけ中国語圏の人々との文化・学術交流に従事することができる能力の養成を目指します。
中国語実践演習Ⅱ 『人民文学』誌上の最新作品を読むことによってより高度な中国語読解力を身に着け,さらに近年好評を博した映画やドラマを見ることを通じて聞き取り能力及び発話能力を向上させます。こうした文芸作品の鑑賞を通じて中国の現代文化に関する知見を深めます。また,中国語を用いたパワーポイントファイル作成および発表を通じてプレゼンテーション能力の獲得を目指します。最終的には東アジア,とりわけ中国語圏の人々との文化・学術交流に従事することができる能力の養成を目指します。
東洋史学実践演習Ⅰ 中国南方(浙江/福建)現地に赴いて史跡や景観のフィールド調査を行い、歴史学としての史跡調査方法を習得し、中国南方の社会と文化を理解することを目的とする。調査する史跡は古墓・祠堂・紀念碑等である。また現地調査前には、調査対象に関する文献の輪読を行って現地への理解を深め、帰国後は調査の成果を整理してまとめ、報告書を執筆、公表することを通し、アカデミックリーディング/ライティングの実践的な力も養成する。
東洋史学実践演習Ⅱ 中国北方(洛陽/西安)現地に赴いて、史跡や景観のフィールド調査を行い、歴史学としての史跡調査方法を習得し、中国北方の社会と文化を理解することを目的とする。調査する史跡は古墓・祠堂・紀念碑等である。また現地調査前には、調査対象に関する文献の輪読を行って現地への理解を深め、帰国後は調査の成果を整理してまとめ、報告書を執筆、公表することを通し、アカデミックリーディング/ライティングの実践的な力も養成する。
異文化交流Ⅰ 本学と交流協定を締結する山東大学法学院の協力のもと、受講生を中国山東省に派遣し、中国の法制度の実際の運用およびその背景にある文化に接する。日本とは社会構造が異なる中国法について学ぶことで、社会構造と法とのつながりを理解できる。日本には中国人が数多く暮らしており、彼らと共生するためにはお互いの文化について社会構造や法に対する意識の面にまで踏み込んで理解することが重要である。また、中国法と比較することによって日本法の特徴や問題点を把握することも、日本の法制度のあり方を探ることに資する。
異文化交流Ⅱ 中国人民大学・寧夏大学の在学生を相手にした学術討論会および現地調査を合同で実施する。こうした学術討論会と現地調査に先立って、日本での事前の学習および地域調査を行い、日中の農山村の実態・政策について国際比較の観点から分析する。
異文化交流Ⅲ 本学と交流協定を締結するフロリダ大学の協力のもと,米国フロリダに数週間滞在し現地でフィールドワークを行なうことを通して,英語によるコミュニケーション力や表現力,および課題解決策を考えるための調査を自ら企画・実施する力を養う。国境を越え,多様な人びとと相互作用しながら自らの問題意識に基づいた調査活動を進めていくなかで,グローバルに活躍する社会人にとって必要な,協働する力と応用実践力を高めることをめざす。
異文化交流IV 本学と交流協定を締結するトリーア大学の協力のもと,受講生をドイツ・トリーアに派遣し,実践的言語能力を高めるとともに,異文化に接して多角的・批判的な視点から考察する力を養う。そのために,ドイツと日本との間の文化的な違いの理解を深める事前学習を実施し,また研修後には異文化比較という観点から報告の場を設ける。
対人支援実践演習 主に、対人支援に関わる現場で働く社会人学生を対象に、実際の現場で得られた経験から知識を発展させるケーススタディを行う授業である。対人支援サービスの現場においては、複数の領域をにまたがった課題が多く存在する。さまざまな立場の専門職と意見を交わし、実践と研究における発展的な理解を得る。
臨床心理地域援助実践演習Ⅰ(産業・労働分野に関する理論と支援の展開) 産業労働分野におけるメンタルヘルスの基礎的な知識と介入実践力を養うことを目的とする。労働法規、セルフケア、ラインケアの基礎を学んだ後、ストレスチェックや復職判定などに必要な心理アセスメントを事例を通して実践的に学ぶ。心理アセスメントについては、質問紙法、描画法、ロールシャッハテストを取り上げて、事例検討を行う。
臨床心理地域援助実践演習Ⅱ 臨床心理学専攻のみならず,社会創生専攻のさまざまな学問分野の受講生とともに,それぞれの専門分野から見た山陰地域の課題を共有しながら,山陰地域の臨床心理地域援助の実践について理解を深めることを目的とした演習を行う。
社会統計学実践演習 社会学的なデータを分析するために用いる多変量解析法について、その仕組みを理解し、実際に使いこなせるよう学んでいく。具体的には重回帰分析・主成分分析・因子分析・分散分析・数量化I類、数量化II類、数量化III類、多次元尺度法などである。
言語データ分析実践演習 ことばを計量的なデータとして扱い、その特徴を分析する方法について、理論と実践の両面から学習する。なお、授業はコンピュータに習熟していない文系の学生を対象とし、ことばをデータとして扱う際の基本的な考え方や、データ解釈の方法を身につけることを目標とする。言語事象を一般的な規則として把握するためには、多くの言語データを処理し、分析する必要がある。この授業では、言語データの収集の仕方、コーパスの利用、テキストファイルの処理、エクセルを使ったデータの整理・分析などを通して、言語を計量的に扱い、特徴を抽出する過程を学ぶ。
人間科学データサイエンス実践演習 データの取得方法、取り扱い方、分析方法(統計学的手法)について理解することを第一の目的とし、さらに実験手法やデータの種類に応じた適切なデータハンドリング・統計解析ができることまで目指す。そのために、取得したデータの入力、整理、変換、可視化、モデル化のそれぞれについて詳しく学び、講義だけでなくコンピューター上で実際にデータに触れながら体験的に学んでいくこととする。
人間社会科学データサイエンス実践演習 情報科学の発展とともにクラウド上に大量のデータが集積されるようになり、これらのデータをAIで機械学習させることで、新しい価値をマイニング出来るようになった。第三次AIブームの火付け役となったディープラーニングも機械学習のひとつである。ビッグデータの解析は、経営・医療系の分野だけではなくあらゆる分野で活用されている。この授業では、機械学習の重要な考え方のひとつであるベイズ統計を中心に学ぶことで、客観的なデータが集まらない場合の統計的手法を学ぶことを目的とする。また、この考えた方が「学習」や実データの取り扱いにどのように相性がよいかを知る。さらに、実際に社会実装されている実例を通して、これらの技術がどのように活用できるのかをユーザー側の視点で理解することも目的とする。
インターンシップ 第1回において、この授業の趣旨目的について確認した後、計画の策定を開始する。この授業は単なる就業体験ではなく、研究と社会実践と関連づけることを目的としていることから、この観点に沿って、授業担当教員の指導のもと、自身の研究テーマと実地研修における課題の関連性について探究する。活動計画書を作成し、事前指導を経て、実地研修を行う(1.5日分相当の研修を想定)。事後指導を経て、この授業での全活動を総括し、自身において、研究と社会実践とをどのように関連づけることができたかを確認する。